今月13日北九州市門司区の小森江川にある砂防ダムに転落してしまった2頭のイノシシ。ここのところテレビのニュースで頻繁に報じられています。コンクリートの壁に囲まれた中を走り回る2頭のイノシシの姿を見ていると、なんともかわいそうだなと思ってしまいます。
そんな中、北九州市はイノシシを脱出させるためにスロープを設置するもうまくいかず、捕獲作戦を行うということです。
13日住民がイノシシを発見し通報
今月13日に住民が砂防ダムに転落し、出ることができなくなっているイノシシを2頭発見し、通報したことで北九州市が対応を検討しはじめました。イノシシはパッと見た感じ若そうな2頭。餌を探しているうちに落ちてしまったのでしょうか。
コンクリートで出来ている砂防ダムの壁の高さは約4メートルから6メートルほど。そんな高い壁はいくら何でもイノシシでは登ることができません。このことがテレビのニュースなどで広く報じられたことにより、「イノシシを助けてあげてほしい」という声がたくさん寄せられたそうです。
鳥獣保護法により手出しできず
しかし、当初は鳥獣保護法によりイノシシを見守ることしかできませんでした。鳥獣保護法には野生動物が何らかのアクシデントに遭遇してしまっても手出しをしてはいけないと定められているのです。
しかしあまりにも多くの救出を求める声により「砂防ダムにイノシシがいると安全性に支障をきたす」といった理由で、イノシシが壁の上まで登っていけるようにスロープを作るという対応をとったのです。
スロープをつくったもののイノシシは未だ砂防ダムの中
スロープは鉄のパイプと木の板でつくった簡易的なもの。スロープの上を歩けばガンガンと音がなりますし、日に当たれば光を反射します。そんな人工的なスロープでは野生のイノシシが近づくわけがありません。
もう少し幅を広くしたり、ゴムシートや人工芝的なシートをかぶせて、軽く砂でもかけてあげたり、ちょっとは工夫できなかったものかな?と思ってしまいますが…。
そんなわけでイノシシ2頭は未だに砂防ダムの中に取り残されたまま。ろくに食料もない場所で、カラスにつつかれながら日に日に痩せていく姿は、野生のイノシシとはいえかわいそうに見えてしまいます。
いよいよ捕獲作戦か?
なかなか砂防ダムから脱出できないイノシシに北九州市はついに捕獲作戦を開始するということです。罠などをしかけて捕獲するそうですが、捕獲した後が気になります。
山林へ還されるのか、それとも処分されてしまうのか…。個人的には山林へ還してほしいなと思ってしまうところですが、野生のイノシシについてはこんな問題もあるそうです。
農作物の被害はイノシシが一番多い
近年問題になっている害獣による農作物の被害。
主にサルやシカ、イノシシによる被害が多いのですが、中でも被害額が一番多いのはイノシシイノシシによる被害はイネなどの穀類から果物、野菜まで幅広く、全国の被害額を合わせるとなんと5億円を超えるそうです。
そんなことを考えると、捕獲したイノシシをむやみに放してしまうのも良くないのかもしれません。